小説

筒井康隆『銀齢の果て』 老人たちの殺し合い【あらすじ・考察】

奇妙な話を紹介する奇譚展へようこそ。 今回は筒井康隆『銀齢の果て』 のあらすじと考察を紹介します。 あらすじ 老舗和菓子屋の3代目である77歳の宇谷九一郎(くいちろう)は、親友の囲碁仲間をワルサーで銃殺した——。 2年前から導入された老人相...
小説

村田沙耶香『殺人出産』十人産めば一人殺せる世界【あらすじ・考察】

奇妙な話を紹介する奇譚展へようこそ。 今回は村田沙耶香『殺人出産』 のあらすじと考察を紹介します。 あらすじ 人工授精で子どもを産むのが一般的になった近未来の世界。日本では子どもを10人産んだら人を1人殺してもよいという「殺人出産システム」...
小説

フランツ・カフカ『流刑地にて』奇妙な機械による死刑執行の物語【あらすじ・解説】

今回はカフカの代表作の一つである『流刑地にて』のあらすじと解説を紹介します。 あらすじ とある流刑地で行われる処刑の立ち合いに招かれた旅行家は、処刑のために用意された特別な拷問機械を目にする。 その機械とは、処刑人を固定するための「ベッド」...
安部公房

安部公房『耳の値段』耳を利用する金儲けのアイディア【R62号の発明・鉛の卵】

芥川賞作家である安部公房の短編集「R62号の発明・鉛の卵」に収録されている「耳の値段」を解説。安部公房らしい「リアルな非現実の描写」がありながらも、ユニークで笑える部分もある、読みやすい短編です。
小説

楪一志『レゾンデートルの祈り』安楽死が合法化された世界【あらすじ・名言】

Web小説サイト「カクヨム」に掲載された作品が基になっている楪一志さんの作品『レゾンデートルの祈り』を紹介。ある条件を満たすと安楽死ができる世界で、安楽死したい人を助ける仕事をする主人公のお話。
小説

吉村萬壱『ハリガネムシ』暴力の欲望に寄生された人間【芥川賞・あらすじ・考察】

吉村萬壱の芥川賞受賞作「ハリガネムシ」のあらすじと考察を紹介します。暴力の欲望に寄生された男の末路とは。戦慄の芥川賞受賞作。
飴村行

飴村行『粘膜蜥蜴』頭部がトカゲの人間が暮らす世界【あらすじ・感想】

暴力的でグロテスクな描写を得意とする飴村行の小説「粘膜蜥蜴」のあらすじと感想を紹介。頭部がトカゲの人間である「爬虫人」と人間が共生する世界は、戦争の真っ只中でした。人間社会の暗部を示唆する戦時下日本のパラレルワールドをお楽しみください。
ノンフィクション

トレヴァー・ノートン『世にも奇妙な人体実験の歴史』自らを実験台にしたマッドサイエンティスト【文春文庫・あらすじ】

マッドサイエンティストたちの衝撃的な人体実験の歴史がまとめられたノンフィクション「世にも奇妙な人体実験の歴史」を紹介します。淋病の解明のため、患者の膿を性器につける医者。モルヒネなどの大発見をしたが、中毒症状に見舞われた者。様々な人体実験の歴史。
小説

吉村萬壱『ボラード病』復興する町の奇妙な結び合い【あらすじ・解説・考察】

吉村萬壱の「ボラード病」のあらすじと考察を紹介します。ボラードとは、船舶を繋留するための杭のこと。ぜひこのタイトルの意味についても考えながら読んでみてください。
小説

フランツ・カフカ『変身』目が覚めると虫になっていた不条理物語【あらすじ・考察】

カフカの不朽の名作であり不条理文学の代表作とも呼び声高い中編小説「変身」について解説。「朝起きると虫になっていた」とだけ聞くと、突拍子もない気を衒っただけの話にも聞こえますが、実際には様々な技法が用いられている深い作品です。